まず先に申し上げておくが、この長い歩き旅日記も次回の第14回でゴールを迎えます。
ここまでお読みいただいて有難うございました。
残りあと2話、最後までよろしくお願いいたします。
2020年4月4日 晴れ時々曇り⇒晴れ
「日本一のバス路線に沿う歩き旅」5日目の続き。
私はネックライトに蛍光タスキといういで立ちだった。
朝、奈良県最南部の十津川温泉を出発、和歌山県に入り熊野本宮~湯の峰温泉~川湯温泉とバス路線の通りに周遊し、再び熊野川に戻って歩き、そろそろ10時間経っている。
段々と夕方になってきて、歩道もなくなり心細くなってきたのだが、何とか熊野市紀和町へのルートが分かれる「宮井大橋」バス乗り場に到着した。
ここは熊野川・十津川本流に北山川が合流しているところである。
ここにかかっていた橋は2011年の紀伊半島大水害で大きく破損して、新しい橋に架け代えられている。
周辺の道路も新しく直されている。
写真ではわかりにくいが、国道と川面の高さの差は10数メートルある。
川の水がバス停の高さまであふれて来るとは信じられない。
夕方6時過ぎ。歩き旅5日目の行程はここまで。
バス停にベンチがあったので、最終の「第3便」新宮行を1時間半じっと待つ。
宿泊して休むには一旦新宮に戻る必要がある。旅を完成させるためにも。
「第3便」バスの到着は夜7時39分。時折通る車のライト以外はほぼ真っ暗。
「来た」。
私は持っていたすべての照明を両手に、大きく手を振った。
停車してくれた。ドアが開いた。
「乗られるんですか??」運転手がマイクでわざわざ聞いて来る。
お願い乗せてください。
どうやら怖かったらしい。
バスの運転席のすぐ後ろに座って、話しながら帰った。
乗客はいない。
「コロナでお客さんは少ないし、私、あそこでお客を乗せたことがないので」。
そうなのか。驚いただろうな。
私もこの辺の道路を歩いている人に会ったことがない。
とにかくスルーされなくて良かった。
あとは何を話したのか覚えていないが「日本一のバス」終着の新宮駅より少し前の「新宮高校前」で降ろしてもらった。
そこから歩いて、よく利用する「グランホテル」に着いたのが午後8時30分だった。
ホテルと同じ敷地内のイタリアンに入るのも今回で3回目位だ。
生ハムをモレッティビールで食べ、ワインをお供にパスタを頂いた。
静かな新宮の夜は更けていく。
いよいよ明日は歩き旅のべ6日目(最終日)だ。
朝のバスで、きのう何とか最終バスを捕まえた停留所まで戻って、新宮駅目指して歩く。
旅の最後には何か特別なものが待っているのだろうか?
(最終回 第14回に続く)
~“日本一のバス路線” 大和八木~新宮 167キロ+αを歩く~その⑭ 和歌山県新宮市にゴール 編 - kotarosandayoneの日記 (hatenablog.com)
2021年8月17日 更新