日本一のバス路線・奈良交通の「八木新宮線」を歩いて紹介する日記を14回シリーズでお送りしましたが、その特別編②として、私がこよなく愛する熊野古道小辺路(こへち)の果無(はてなし)峠を紹介したいと思います。
こちらは以前の日記でも紹介した 十津川温泉と熊野本宮を結ぶ「川の峠道」の図です。
昔、十津川温泉と本宮を結ぶルートについては熊野川の断崖に道をつける技術がなく、山を越えて馬をひいたり、重い荷物を背負って歩いたという事です。
この道は、熊野本宮と高野山を山越えで一直線に結ぶ「熊野古道小辺路(こへち)」の一部区間となっています。
【外部リンク】十津川温泉~熊野本宮大社(果無峠) – 田辺市熊野ツーリズムビューロー (tb-kumano.jp)
本宮と果無峠(はてなしとうげ)頂上の標高差は1000メートル以上あり、古道歩きというよりは、本格的な登山のイメージの方が良いでしょう。
道は迷うことはないと思いますが、スマホに頼らず、登山地図やコースガイドの印刷物を準備、できればコンパスもあると便利です。
では2021年1月の正月明けに、十津川温泉で一泊して果無峠を歩いた旅行記を写真主体にお送りします。
例によって実家のある三重県津市からスタートしています。
まずは三重県熊野市 花の窟(はなのいわや)神社近くのうどん店で昼食。
いつ撮ったのかわかりませんが、おかみさんとプロ野球400勝投手の金田正一さん(カネやん)との記念写真が飾ってありました。
父方の実家のある熊野市の七里御浜 冬は穏やかな表情を見せます。
熊野市から十津川温泉に向かう途中には本宮温泉郷のひとつ、川湯温泉があります。毎年12月から2月の間は川をせき止めて作る「仙人風呂」が名物。適温で、水着を着用して、「湯に浸かった体勢」で写真を撮りました♨♨♨♨😁
「密」を避けるために、例年より「湯船」を大きくしたというのに、肝心のお客さんがほとんどいませんでした。人が写っている後ろに、よく利用した「ペンションあしたの森」があります。仙人風呂に朝夕と入りたい人には特におすすめです!
脱ぐだけの格好で(ようするに海パンをはいたまま)ここまで車で来たので、川湯温泉の公衆浴場で着替え直しました。湯船には熱くては入れませんでした😂
あした越える熊野古道・果無峠の稜線を眺めます。車はここ「道の駅奥熊野古道ほんぐう」に置いて「川の峠道」を路線バス(村営バス)で越えて、十津川温泉に入って一泊し、翌日峠を歩いてここまで戻って来る算段です。(このスケジュールは本当にお勧め)
十津川温泉の宿はどこも特色があってお勧めですが、私は「太陽の湯」が好きです。お値打ちなのにこのボリュームは凄い。大きいブリの刺身が小さな器に窮屈そうに納まっているし(笑)、サンマ寿司に可愛い目張り寿司と熊野一帯の海と山の幸が詰まっています。ちなみに鹿肉のフライがアングルに入りきらずに右に見切れています。
露天風呂も抜群のロケーションです。気になる方は「ペンションあしたの森」と共にホームページを当たってみてください。
太陽の湯では子熊(はく製)が出迎えてくれます。知らないとちょっとドキッとしますよ。
どうやら夜の間にまた少し雪が降ったようです。
果無峠の入り口です。
北斜面の石畳ですが、雪はほとんどついていませんでした。
十津川温泉から歩き始めて約1時間で展望が開け、「にほんの里100選」に選ばれている「果無集落(はてなししゅうらく)」に入ります。
ちなみにいつも十津川村内で食べるエビインドカレーのお店のご主人はここの集落の出身だそうです。
今から一番奥に見える稜線を越えていきます。
集落を後に、滑らないように、急な坂を登っていきます。
果無峠には「西国33観音」の石仏が順に並び、この峠道のアクセントになっています。
道沿いには、雨水だけを頼りにお米を作っていた「天水田」の跡があります。どれだけ苦労した事でしょう。
「山口茶屋跡」
観音様にはそれぞれ案内板があります。
展望が開けてきましたが、峠の頂上まで、まだ標高差400メートルを登らなければいけません。
一年前は暖冬でしたが、今回は水飲み場がバケツごと完全に凍っていました。
登って来た十津川温泉がはるか下に見えます。ここまでくると修験の道「熊野古道大峰奥駈道(おおみねおくがけみち)」のある大峰山脈を臨みます。
峠の登りの最後にある観音様
宿を出てから3時間。標高1114メートルの果無峠(はてなしとうげ)に着きました。西国33観音の中間?となる第17番の観音様がいらっしゃいます。
分かりやすい案内板があります。八木尾(やぎお)方面に下ります。
ここからは長い下り。登山道が雪に埋もれています。ずり落ちないように慌てず下っていきます。
小動物の足跡に道案内されることもありますよ。尻尾を引きずっていないのでウサギかな?
熊野本宮方面が見えて来ました!まだまだ下るけど。この景色を見ながら、民宿で用意してもらったお弁当を広げました。至福。
眼下に見える熊野川(十津川)と七色(なないろ)集落 ここから元DeNAの投手を輩出したこともあるんですよ!
ここからしばらくは尾根道が奈良と和歌山の県境になります。
なんとか降りてきました。宿を出てからここまで5時間半かかりました。
奥にかかっている橋はNHKの連続テレビ小説「ほんまもん」(2001年)で木葉(このは)が大阪に旅立つ際の見送りのシーンなどに登場した「三里大橋」です。
三里大橋の左奥に国道168号のバイパス橋が架かります。
「道の駅奥熊野古道ほんぐう」に着きました。十津川温泉から休憩込みで約6時間でした。
このルートに興味のある方は、以下のリンクから地図をダウンロードすることが可能です。夏の熊野古道は暑くてお勧めしません。秋から春が良いようです。
今回もありがとうございました。果無峠にはお気をつけてどうぞ。
~“日本一のバス路線” を歩く~特別編③ 八木町(やぎまち)を歩く - kotarosandayoneの日記 (hatenablog.com)