kotarosandayoneの日記

街道歩きを中心に、風景などをアップしています

「牛にひかれて善光寺参り」善光寺街道・善光寺西街道を歩く~その②

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その①では善光寺西街道の出発点「洗馬」宿から「松本」宿まで歩きました。その続きです。その②では松本から善光寺街道との合流点「篠ノ井追分」まで歩きます。

2020年12月27日 善光寺西街道歩き 2日目)

2日目は松本宿から青柳宿まで歩き、もう一泊するために電車で松本まで戻ります。

朝寒いより夕方寒くなって心細くなるよりはと思って暗いうちにホテルを出ました。

マイナス4度位でした。

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まだ松本の町中を歩いているうちに、空がうっすらと明るくなり、北アルプスが浮かび上がって来ました。真ん中は日本百名山のひとつ「常念岳」で「北アルプス表銀座」周辺を代表する三角形の山容を誇ります。毎日こんな景色が見られてよいなあ。と旅人は思ってしまうのです!

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1767年に建てられた「日本廻國供養塔」。旅に倒れた人も多かったのでしょうか。

「松本」宿から「岡田(おかだ)」宿を経て、次の「刈谷原(かりやはら)」宿まではひとつめの峠越えです。

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標高1025mの刈谷原峠に着きました。きのう午後の観光気分から一転、今日は冬山登山の気分です。それでも松本のホテルから2時間10分で着きました。良いペースです。まだ朝8時40分だから、予定通り歩けるかしら。アイゼンやスパッツを着脱したり、休憩していると時間はすぐに経っていきます。

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旧道沿いの「道祖神」には正月のしめ飾り 毎年欠かすことがないのでしょう。

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刈谷原」宿を過ぎて「会田(あいだ)」宿に近づいて来ました。

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山間の村には似つかわしくない立派な村役場(現松本市役所支所)

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メインストリートがこの景色ですから。キャッチフレーズは「人と自然にやさしいまち」と支所の入り口にありましたが、税金の使いみちを少し考えた方が良いような?

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「会田」宿から街道は峠に向かってぐんぐん登っています。対になっているのは善光寺常夜灯です。難所の峠に臨む旅人を励ました事でしょう。

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善光寺街道で最大の馬頭観音(観音様の頭に馬が載っている)を過ぎると、きょう2つめの峠までは胸を突くような登り坂。もう正午を回っています。

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1005mの「立峠」。写真ではピントが手前に来ていますが、遠く日本海まで眺められるような景色でした。

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「あれは北アルプスの富士、有明山かしら。あちらは爺ヶ岳かしら」などと縮尺の小さな地図にコンパスを当てながら、ゆっくり峠を下って行きました。

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「松本」宿から「青柳」宿まで、無事2日目の行程を終えました。峠越えの26キロ。最寄り駅のバックの山が素晴らしく、「あちらは爺ヶ岳 右は鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)」と、なぜか地元の人に山を教える?事に。

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松本まで戻る車中、朝見た常念岳大天井岳(おてんしょうだけ)に続く稜線。

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松本駅に戻ってきました。

歩くときは山の中。泊まるは街の真ん中。(笑)」知らない土地でのギャップを楽しみたいのです。コロナ禍でなくても翌日の事があるので、だいたい大人しくしていますが。普段は冬休みで大いに賑わうであろう高速バスのターミナルも静かでした。

2020年12月28日 善光寺西街道歩き 3日目)

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続いて3日目、ハイ山の中。歩き始めて15分でこの絶景。

街道を通すために戦国末期から大岩にノミが穿(うが)たれ、その後3度にわたって切り広げられたそうです。一番下は現代の削岩機によるものですが、その上には江戸時代のノミの跡が残っています。善光寺西街道 大切通し」

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持参して歩いた本には詳しい道筋と解説が記されています。こちらをもう一度めくりながら文章を載せています。上の「大切通し」の解説は全くの受け売りです。

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まだ登りだからよいけど、下り斜面で滑ったら事故になるので要注意です。

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「麻績(おみ)」という難読地名の宿場を後に、最後の難関、猿ヶ馬場(さるがばんば)峠に向かいます。まっすぐ下から歩いて来るつもりだったが、道を間違えて左から登ってきました。鹿と私の足跡が交差している。

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964mの峠は開けていて、聖湖(ひじりこ)、奥にはスキーのリフトが見えています。ちょうど東屋があったので腰を下ろして、早めにパンを食べました。

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長野県ならではの風景と言うのでしょうか。お天気も素晴らしい。

後はもう下るだけだから、と思いますが今回の旅は松本方面から長野方面へ、南から北に歩いているので、「南斜面を登って、北斜面を下る」という図式。お分かりのように下りの方が積雪が多いのです。

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時にはひざ下まであるような雪道を何と1時間以上下りました!

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道中3日間とも晴天で嬉しかったです。

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くつ打ち場「馬に草履をはきかせさせた場所である。時には旅人も、草履を履き替えるなど身支度と気持ちを新たに難路の峠に向かった」とあります。

立て看板の文字を控えて来たのではなくて、フォトアプリで写真データを拡大して読みました。便利ですわ。

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ようやく善光寺平が見えて来ました。ここでは道を間違えて、本来は下に見えるお墓のあたりを通るはずでしたが、おかげでより俯瞰の絵が撮れました(笑)。

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篠ノ井追分に至る最後の宿場「稲荷山(いなりやま)」宿にて。

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「左せんこうじ道 右東京並屋代道」

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善光寺街道善光寺西街道の分岐点「篠ノ井追分」道標。今回の旅はここまで。

よって、善光寺には参りません(苦笑)。すいません。今回は2泊3日で善光寺西街道を歩くルート(下の地図の赤い線の部分)を紹介しました。

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善光寺街道は仕切り直して、2022年の年明けにでも2~3回に分けて紹介したいと思います。(あしたからは2022年ですが)

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帰りの特急「しなの」の車窓から善光寺平 座席位置は選んであります。行きも帰りも車内はガラガラでした。

2021年12月31日(大晦日)自宅にて更新。

「牛にひかれて善光寺参り」善光寺街道・善光寺西街道を歩く~その③ - kotarosandayoneの日記 (hatenablog.com)

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