kotarosandayoneの日記

街道歩きを中心に、風景などをアップしています

「牛にひかれて善光寺参り」善光寺街道・善光寺西街道を歩く~その④

🎍2022年 あけましておめでとうございます。

年末から年始にかけて大雪に見舞われた地方もあったのでしょう。三重県鈴鹿山脈のふもとを走る新名神高速道路も通行止めになりました。

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雪解けの1月3日に鈴鹿の山を見に行ってきました。正面右奥の山が御在所岳

三重県御在所岳の中道(なかみち)ルートは「四季を通じてお手軽にアルペン気分を味わえる、日本を代表する登山コース」ですので是非一度お立ち寄りください。

さて本題、善光寺街道を歩く旅の紹介の続きです。こちらは長野県上田市

2021年1月30日(土)晴れ(善光寺街道歩き 田中⇒千曲)

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午前7時過ぎ 上田市内 夜の間に雪が降ったようです。

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六文銭をあしらったJR(しなの鉄道上田駅から電車に乗って田中駅まで戻り、善光寺街道2日目の歩き旅です。

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冬の朝日を浴びてルンルン気分で歩き出したのですが、黄色い工事用のバリケードの奥をひょいと覗いて、思わずハッとしました。

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2019年(令和元年)19号台風 ー。

阿武隈川福島県)や千曲川(長野県)などの氾濫は大きく伝えられ、北陸新幹線車両基地が冠水して10編成120両が水没した、あの台風から1年と3カ月(※2021年1月現在)。

復旧工事がまだまだ続いている事を思い知らされました。被災当時の写真が現場にありました。

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今ちょうど立っているところでは、千曲川の護岸がえぐられる様に崩壊し、その上に作られていた道路が流された様子が航空写真で分かります。

もういちど現場(ひとつ上)とを見比べました。あちこちで護岸の基礎工事からやり直している様です。

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地元の海野(かいの)氏や真田氏の守護神・日本武尊ヤマトタケルノミコト)を祀る隣の白鳥神社は被害にあわなかったようです。

一礼して歩き出してまたビックリ!!

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「タイムスリップしたみたい・・・!」

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近代的なものが何一つ目に入ってこない。道路標識も、看板も、電柱も。

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2日目に出発した田中宿の次の海野(かいの)宿に差し掛かりました。街並みを丸ごと残そうという、文化庁「重要伝統的建造物群保存区」に選ばれています。

同じ長野県内では中山道妻籠(つまご)宿や奈良井(ならい)宿などが有名で、私も歩いて来ましたが、ここでは予備知識もなかったので、意表を突かれました。

先ほどの護岸工事のところから本当に1分も経っていません。

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通りに沿って流れる水路がまた良い感じなのです。

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宿場町の裏手には、しなの鉄道(旧信越本線)が並行して走っています。

鉄道の開通前と後では宿場や街道も様変わりしたでしょう。まず、馬が通らなくなったでしょうね。

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川が千のように曲がりくねっている事から「千曲川(ちくまがわ)」というのは成程もっともらしい説です。

写真の道祖神の近くに、江戸中期の洪水で出した2800人という犠牲者を弔う仁王尊もありました。

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河岸段丘の低いところにも家が建っています。

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こちらは「猫石」と呼ばれ、坂上田村麻呂千曲川を渡るのに難渋していると猫が現れ、浅瀬の場所を教えるかのように先に渡ったという伝説にちなむものです。

川の中にあった大石でしたがその一部が神社の境内に移され、「区内(町)の平安と河川の平穏を祈願する」と記されています。

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それにしても千曲川の流れは素晴らしいですね。私のお気に入りの一枚です。

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奥に日本百名山四阿山(あずまやさん)方面の山と観光列車「ろくもん」。

通りすがりの奇跡の一枚です(自画自賛、笑)。

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こちらは逆に、走って来るのを少し待ちました。「千曲川を渡る北陸新幹線」。

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上田市の市街地に入ってきました。信州大学繊維学部はかつて養蚕が盛んだった上田市にあります。

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午前10時半。ちょうど3時間歩いて、上田駅前通りを横切りました。この後上田城址で休憩したりして、2日目のゴールまであと6時間かかったのですが。

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上田藩主屋敷門 上田城の三の丸だった所に上田高校があります。頭良いんだろうな~(俗人のつぶやき)。

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橋の上から眺める「二の丸堀」跡。昭和47年まで電車が走っていたといいます。

上田城は戦国末期、真田幸村の父、昌幸によって築かれ、攻め寄せる徳川の大軍を二度に渡って撃退した事で真田家と共に名を馳せました。

平城(ひらじろ)でありながら守りが堅く、先ほどの雪山と電車の風景の川原にも合戦の「防波堤」を築いたそうです。

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本丸に続く櫓門(やぐらもん)1994年に復元 本丸跡は緑地公園になっています。

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石垣の中でも大きな「真田石」。北の櫓を支えています。

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本丸を取り囲む堀はしっかり凍っていました。

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外堀が切れたところに「右せん加うし道」(右へ善光寺)の道しるべ 元禄時代のもの

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千曲川の氾濫で川原に流れ着いた大量の骸を弔う千人塚がありました。

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断崖絶壁が千曲川に落ち込み、善光寺街道随一の難所とされた「岩鼻」。

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「ねずみ」面白い地名だと思ったら、岩鼻の先で上田の防御として真田信之(幸村の兄)が私の宿場を設けて寝ずに見張った(不寝見)だという事。

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「今日はチャーハン出来ないんです」。何だろうと思ったら厨房の誰かが休んだみたいでご主人が1人で調理していました。

私が食べている途中で注文が一段落し、ご主人が思わずくたっとなっていました。

いや、暖かいものが食べたかったので十分でした。美味しかった。

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坂城宿本陣の表門(江戸時代の土壁)

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「渡らないでください」と一応書いてあるが・・

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田中宿・海野宿・上田宿・坂城(さかき)宿と順にたどり、善光寺参りの精進落としとして賑わった戸倉上山田(とぐらかみやまだ)温泉を遠目に見ながら、何とか千曲(ちくま)駅に近づいてきました。

歩き出してやがて9時間は立とうとしています。

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千曲駅から電車で20分掛けて上田駅に戻り、昨日と同じホテルに宿泊します。

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「きょうは一日晴れて良かったけど、明日(3日目)はどうかな~」。しなの鉄道の車窓より

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きのうはホテルのレストランで贅沢したので今日の夕ご飯はファミレスで。

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後はホテルの部屋で休むだけ・・・の訳はなく?(※食事前に撮影)

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昨日から買ってあったワイン🍷でひとり部屋で酒盛り(笑)。つまみ🍕はホテルのレストランで注文 全然節約出来ていない~。

さあ明日はいよいよ、ゴールの善光寺を一路目指します。

2022年1月3日(月)三重県津市の自宅で更新

「牛にひかれて善光寺参り」善光寺街道・善光寺西街道を歩く~その⑤ - kotarosandayoneの日記 (hatenablog.com)

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