kotarosandayoneの日記

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伊勢参宮街道を歩く 松阪駅~伊勢市駅【前編】2022年5月

「この~木 何の木 気になる木~♬」             答:楠(クスノキ)

新緑のまぶしい季節になりました。ここはというと、三重県津市の三重県立美術館の駐車場です。開館40周年記念展をやっていました。40年前に植えた木も当時の写真と比べたらずいぶん大きくなった事でしょう。

40年前と言えば、私は15歳。ええ~そんなに前なの? 

人生を季節に例えれば、新緑がどんどん伸びて青さを増していた頃でしょう。

50年たってもまだまだ成長を続けていく木々をみるとちょっとうらやましくなってきました。落葉樹でもいいかな?毎年青葉🌳が出て、花🌸が咲いて。紅葉🍁も良いな。

動物は自由に動ける代わりに青春時代は一度きりですものね。(どこまでを青春ととらえるかはその人次第ですが)

そういう訳で、数十年~数百年変わらぬ何かを捜しに、また四季の花を愛でに今日も歴史街道を歩きます。

JR松阪駅近鉄との供用駅)

【2022年5月8日(日)☀晴れ

4月でも日中は暑いなと感じるほど季節を先取りする日もあったのですが、この日は北風が吹いて午後も気温が上がらず、最高の歩き日和👞👞👞になりました。

早朝の歩き出しは少し肌寒いくらい。リュックの中のナイロンのベスト(=ゴルフ用:最近まったくしていない)を首から被ります。

本日のコースはJR松阪駅から伊勢街道(伊勢参宮街道)を歩いて伊勢神宮外宮までの約22キロメートル。ほぼ平坦の上、終始背中からの追い風でした(^O^)/🏴ワーイ 

上が北です。指で拡大出来ます。

フリーハンドですがまあまあ等縮尺で書いてます。松阪駅から斎宮駅あたりまで全行程の約4割。

斎宮周辺とその先の「へんば餅」のお店あたりで休憩して6時間位かな~と予測をつけました。(実際はもう少しかかりました)

いつも通り中々出発しませんww。

 

JR松阪駅のロータリーには「古事記伝」を著した国文学者・本居宣長(もとおりのりなが)が愛したという駅鈴(えきれい)のオブジェがあります。

鈴の前の説明版 スマホなら指で拡大できます

駅から400メートルくらいの交差点に「右わかやま道 左さんぐう道」と彫られた「日野追分道標」があります。

このあたりの道路は赤い郵便ポストがまだ現役です。

 

また味わいのある名古須川の橋を渡りますと、「閻魔堂(えんまどう)」があります。

津の城下町の南のはずれにも閻魔堂があるので、こちらも松阪の城下町(宿場町)の南を警護しているのだと思います。格子の間から覗かせてもらいます。

お寺の山門の前には「仏足石(ぶっそくせき)」がありました。今まさに仏様(仏陀)がいらっしゃるという意味なのだそうです。ここからは松阪の町から郊外に出る事になります。

なんだかすごく格好いい常夜灯を見つけました。何というか、全体がスリムなんです。

伊勢参宮街道はJR参宮線を渡ります。ちょうど部活の高校生達が降車してきました。(列車は伊勢方面から津・亀山方面行き)

こちらはよくあるタイプの常夜灯です。1831年(天保2年)の建立だそうです。

その先に「禁酒の神」なるものを見つけました!

街道のガイドブックによると、この石に酒をかけて酒を預かっていただくよう願をかけると禁酒ができるそうです。残念、お酒を携えていなかった~。

(夕べは部屋でビール🍺とワイン🍷を飲みました)

こういうカーブの風景が好きなんです。曲がった先はどうなのかな~と。

さてその先には「従是外宮四里(コレヨリ外宮まで四里)とあります。ここから伊勢神宮外宮まで約16キロだそうです。

途中でたくさん休憩したので追い風にもかかわらず、後で記録を見たらここから外宮まで5時間半もかかっていました。

ここで初めて玄関のしめ飾りを見ました。

伊勢地方には一年中しめ飾りをする風習があります。この集落ではどのお家もしめ飾りがありました。

とてもさわやかな5月の朝です。そろそろナイロンのベストを脱ぎましょうか。

実はこの伊勢参宮街道を歩くのは今回で3回目(たぶん)なのですが、いつもびっくりさせられるお家の門があります。

これから渡る一級河川櫛田川(くしだがわ)の橋にあった親柱です。どうやって手に入れたのでしょうか。

櫛田川に橋がかけられる前には渡し舟がありました。

次に渡ったのは祓川(はらいがわ)です。櫛田川から分かれて伊勢湾の別の河口に注いでいます。祓川の名は昔、斎王(さいおう)が伊勢神宮に仕える際にこの川で身を清めた事に由来します。

斎王とは都にいる歴代の天皇に代わって伊勢の天照大神に仕えるために選ばれた未婚の皇女の事で、斎王の制度は飛鳥時代から北条氏が滅亡した1333年頃までの約660年間の長きに渡り続きました。

現在の明和町の一帯で遺跡が発掘されるまでは「まぼろしのみやこ」と呼ばれていたそうです。

【リンク】日本遺産認定「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」/明和町ホームページ (town.meiwa.mie.jp)

斎宮(さいくう)が歴史に埋もれた後、皇族ではなく一般の庶民がお伊勢参りをするようになり伊勢参宮街道が発達すると、松阪と伊勢の中間にあるこの辺りは宿場町としての機能を果たしたようです。

伊勢街道は竹神社(たけじんじゃ)の前を通ります。

向かいの軒先にベンチがあって、境内で手を洗う事が出来るので、ここで小休止させてもらいました。

その手洗い、じゃなくて手水鉢がすごい!

何じゃこりゃ⁉と言った感じなのですが、要するに手を洗ったり柄杓を置いたり出来なくなった事からボランティアの方々がお花を飾る事にしたそうです。

今日は「母の日」。特別仕様でした!

同居の母親に写真を撮って送りました🎁。

伊勢神宮内宮の方角に向いて境内からお参りできます。このような神宮遥拝所は近県をはじめ各地にあります。

近鉄斎宮駅近くでは、平安時代前期の斎宮の主要な建物を、実際にあったとされる場所に実物大で復元しています。

伊勢参宮街道は見どころが多いので、この歩き旅も【後編】に続きますが、松阪駅から外宮までの22キロはちょっと長いな~と思われる方。

近鉄斎宮駅をスタートするプランにすると歩行距離は短くなります。

車利用の方は斎宮周辺に駐車して、ここから頑張って伊勢神宮まで歩き、近鉄斎宮駅まで戻って来るのもありだと思います。

それでも内宮まで歩くとなると強行軍となります。夏の日差しには十分気を付けて下さい。

2022年5月14日(土)更新 次回はこの続きです。

伊勢参宮街道を歩く 松阪駅~伊勢市駅【後編】2022年5月 - kotarosandayoneの日記 (hatenablog.com)

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