kotarosandayoneの日記

街道歩きを中心に、風景などをアップしています

河川に囲まれた伊勢市~神に守られた川と海の道を歩く~②

三重県伊勢市の出版社「伊勢文化舎」さんが出している、伊勢神宮の正宮を始め、別宮や摂社などあわせて125社を歩いて廻ろうと企画された「お伊勢さん125めぐり」。

平成20年(2008年)初版の刊行以来、ロングセラーとなって2022年現在、再改訂版が出ています(上の写真は2017年の改訂版)。

参拝客で賑わう、伊勢市宇治の内宮(ないくう)伊勢市山田の外宮(げくう)からは離れた場所。

照大神に仕える神様、またその神様に仕える神様などを祀った「神宮の杜(もり)」は三重県の南勢(なんせい)、伊勢志摩にひっそりと佇んでいます。広大な田んぼの中にあったり、川縁や海辺にあったり。

日本の歴史や文化は稲作に象徴されるといいますが、稲を育てるための水や土、気候、暦を司る役目は天照大神の兄弟など重要な神様が務めます。

今回歩いているコースは伊勢神宮下流域を守る神様であったり、天照大神に海産物を届ける神様などを訪ねる旅です。いずれも重要なお役目の神様ばかり。

上の地図の【4】志宝屋神社(しおやじんじゃ)を後に、三重県最大の川、宮川(みやがわ)の下流に近づいていきます。

宮川の名の由来はいうまでもありませんよね。

川側と田んぼ側、両側に何もない堤防道路を歩いて、おっかなびっくりです。時折車とすれ違いますが、夜は怖くて走れないでしょう。

段々と日が上り、気温も上昇。川べりだから風も吹いて幾分過ごしやすい。というより帽子が風に飛ばされそうになります。

西の方向に堀坂山(ほっさかさん)、白猪山(しらいさん)、局ヶ岳(つぼねがたけ)の「伊勢三山」がうっすらと見えます。

宮川の下流、対岸までは100メートル近くあります。海水も混じっているでしょうか。

コースガイドに乗っていないところにもお社が、、と思ったら

製造中に万一爆発しても(しません)、

ちょっと怖かったです。

1枚目の「製造所」の遠景の写真は、振り返って撮ったものです。(これを断らないと「やらせ」と言われますので。。)

今回の歩き旅・後半の楽しみのひとつだった「山田奉行所記念館」にやって来ました。

奉行所は「江戸町奉行」(北町・南町など)と江戸以外の「遠国(おんごく)奉行」に分かれ、1603年、家康が幕府を開いたのと同じ年に開かれた遠国奉行所はここ三重県、伊勢の山田の他、新潟県佐渡、長崎の3カ所。

幕府にとってどれだけ重要な拠点だったのでしょうか!

こちらを目いっぱい拡大してお読みください。

「ドーン、ドーン!(太鼓の音)お奉行様のお成~り~♬」。

だったかどうかは分かりませんが、かの大岡忠相(おおおかただすけ)が越前守(えちぜんのかみ)になる以前、第18代山田奉行を務めていたそうです!(すげえ!)

まあ、要するに山田奉行所で当時の忠相が何かミスっていたら、のちの昭和~平成を代表する時代劇ドラマがひとつ無かったことになります。(加藤剛のキャリアは?)

「皆の者、面(おもて)をあげい。」

お白洲の障子は普段閉められていて、来館者が自分で開ける仕組みです。あっと驚き!感動しますよ。

今度伊勢を訪ねる時にぜひ「山田奉行所記念館」に行きたくなったという方は、こちらを参考にしてください。

まあ分かりにくいところにあります。ほとんど宮川の河口です。

【リンク】

山田奉行所記念館 | スポット・体験 | 伊勢志摩観光ナビ - 伊勢志摩観光コンベンション機構公式サイト (iseshima-kanko.jp)

どうして奉行所山田の町の真ん中になかったのかというと、外宮の神様にあまりに近いところや街道筋にお堅い奉行所を置きたくなかったのと、海防の意味があったと思われます。

ここからは折り返す様に伊勢市駅前に向かって歩いていきます。

風向きによっては、黒砂糖の甘~い香りが漂ってきます。

この「・沖縄黒飴」店頭で見たことも、なめたことがある人も多いかも?

ここで【トリビア】です。

沖縄県内でも大きなシェアを誇る黒飴はここ、伊勢の工場で作られています。

松屋製菓」の隣にあるお社は伊勢神宮外宮の摂社である【2】河原(かわら)神社末社の毛理神社が同座=合祀)。

入り口に足を踏み入れて、10歩で本殿前に着きます。

「祭神は田地守護の神で、宮川下流を守っておられます。祭神=川神(かわのかみ)。同座の毛理神社は森の神木の神をまつっています(木神)。」

青文字の所は「お伊勢さん125社めぐり」の記述を引用させて頂いています。

社長さんのお母さんが毎日、神社にお参りして掃き掃除を行っていたという話で、社長の「黒飴のまん中に生の黒砂糖を入れる」というアイデアがピタリとはまって、「・沖縄黒飴」は大ヒットしました。

業績を伸ばした会社は工場を新装オープン。

原材料は沖縄のものを使っているのだけれど、沖縄では伊勢から「沖縄黒飴」を逆輸入(?)。

沖縄にも旅行に出かける人が増えて来ると思いますが、沖縄土産の黒飴を買う人(特に三重県人)はパッケージの裏側をちらっと見た方が良いかも??

リュックの飲み水が尽きてしまって、これ幸いと自動販売機を見つけたのだけれど、、

財布の中身を見たら40008円しか入っていませんでした。オーマイ・ゴッド。

ここから頑張って15分でコンビニに入店してお茶を買いました🍵

気合の入った園の送迎バス。コントラストの奇麗な3階建てのお家。

伊勢赤十字病院を横目にみて、伊勢市の中心部に入ってきました。

まちのど真ん中に大きな杜(もり)を見つけました。

「お伊勢さん125社めぐり」本日最後の神社は外宮摂社の【1】河原淵(かわらぶち)神社です。

「祭神は水の守り神・澤姫命。地元の氏神・船江上社など様々な神と並んで鎮座されています。船江(ふなえ)という地名は、昔付近に船着き場があった事に由来します。」

様々な神様が鎮座する境内には伊勢神宮 ならぬ 奈良の橿原神宮の遥拝所がありました。

ここ外宮の摂社は「伊勢神宮の一部」なのです。

船江上社の前にあった、推定樹齢700年以上という大クス。その名も招福楠

鎌倉時代からこの地に鎮座??すごすぎる。

歩き始めて4時間近く。伊勢市駅まであと1キロ少々。勢田川に入ってきました。

ここらあたりは船着き場と蔵が並び、「伊勢のだいどこ(台所)」と呼ばれた河崎地区です。

「お伊勢さん125社めぐり」の案内地図をまるっと拝借しています。申し訳ありません。

ブログの掲載写真はすべて私「こたろー」の撮影ですので。(リンク先を除く)

上の2枚の写真は、同じ場所を通り側と川側から見たところ。

「伊勢のだいどこ」の事が良くわかる伊勢河崎商人館。

河崎の伊勢うどん屋さんは日曜定休。地元民に愛される店です。

築百年の古民家を生かした休憩所は、鳥羽のカキを扱う料理店になっていました。(違っていたらごめんなさい)。

暖簾をくぐったところ、雰囲気の良さに念のため「こちらは予約制ですか?」と尋ねると「どうぞ。今座れます。」との事。縁がありました。

単品でも良さそうだけど、ちょうどお昼時だし。

岩ガキとカキフライのセットにしました。せっかくだから牡蠣によく合うワインも頼もうかしら。

岩ガキとシャブリの白ワイン。写真を撮りながらついニヤニヤ(^^;)

大変おいしゅうございました。河崎の町には沢山、いろいろなジャンルのお店が立ち並んでいます。

居酒屋さん、美容院、豆腐屋さん。

更にはミシュランガイド★★★のお寿司屋さん。

いったい「おまかせ握り」でいかほどなのか???

今回歩いたコースも載っている「お伊勢さん125めぐり」では、半日~一日で歩ける全部で13のコースを設定し、それそれの神様についての説明や、コース途中の飲食店やお土産店などを紹介しています。

ガイドブックに携帯のグーグルマップを活用してお手洗いやコンビニなどをコースに書き込んでいくと完璧でしょう。

ガイドブックで調べてみたら、今回の旅を合わせて125社のうち63社めぐっていたことになりました。

本当にちょうど半分で思わず吹き出しました(←マスクしてます)。

完全制覇にはまだまだ遠いです。皆さんもぜひチャレンジしてみてください。

2022年6月18日(土)未明に更新。

お伊勢さん125社めぐり~二見の杜(もり)を訪ねて その1 - kotarosandayoneの日記 (hatenablog.com)
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