kotarosandayoneの日記

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「最古の官道」エピソードⅠ 大阪藤井寺の夜に大コーフン🥃🐃💕編(1)

藤井寺球場大阪府藤井寺市のモニュメント

人気シリーズの小説や映画の続編のようなタイトルです。前回までに「最古の官道」竹内(たけのうち)街道を歩いて一区切りとしました。

一方で百舌鳥(もず)古墳群を周遊した事から、同じく世界文化遺産登録古市ふるいち古墳群も回ってみたいと、ちょうど3週間ぶりに大阪に戻って来ました。(⇩外部サイト)

百舌鳥・古市古墳群 日本語TOP|世界遺産 百舌鳥・古市古墳群(もず・ふるいちこふんぐん) (mozu-furuichi.jp)

2024年2月23日(金・祝)☔⇒☁️

神話時代を含む歴代の天皇が祀られている巨大古墳群を訪ねるのに、今上天皇の誕生日はことのほかふさわしい。ちなみに今月は2月なのに三連休が2回もあって、しかも4年に一度のうるう年。

出発地点に向かう電車の前面ガラスを雨粒が叩き、水滴は太い帯となって側面ガラスを這う(高速で走っているのであたりまえ)

前日の大阪の予報は朝から曇りだったはずだ。ひょっとして○下は☔男??

人気ドラマのもじりではないが「不遜もほどがある」。

近鉄古市駅で急行から準急に乗り換え

乗り継ぎがスムーズに行って、予定より1本早くスタート地点の「土師ノ里」駅に着きました。

土師ノ里と書いて「はじのさと」と読む 難読駅名のひとつ

当地発祥の豪族「土師氏」にちなんだ駅名とあるが、同じ名前の地名はない。確かに古墳に並べる埴輪(はにわ)は素焼きで、2度焼きの一般的な陶器に対して「土師器(はじき)」と呼ばれる。それにしても、

駅は古市古墳群の中でも「三役クラス」の大型前方後円墳に挟まれている。どうしてわざわざここに?? 

千葉県浦安には「東京ディズニーランド・ステーション🎠🎡」という駅があるが、この駅の名は「はじのさと」でも良いが「古市コーフンランド・ステーション」でも引けはとらない(異論は認める)。

『改札出たら2分でコフン🏺』

【市野山古墳】墳丘(鍵穴型の部分)の長さ230mで全国20位の大きさの古墳。宮内庁が第19代允恭(いんぎょう)天皇の墓と定めている。世界遺産

一番幅の狭い「後円部」の頂上からだが1枚の写真に納まりきれない。よく見ると伐採された木の丸太が並べられていて、宮内庁が定期的に手入れをしている事が伺える。

古墳と住宅地の境目には「遊歩道」が設けられている所も多いが、大抵このような看板がある。

これだけ住宅が近いとそもそも「犬の散歩コース」にするには気が引けるだろう。どの家も玄関(拝所)が古墳とは反対側にあるから、こちら側は居間や寝室のはずだ。なるべく音を立てないように歩いてゆく。

今日は天皇誕生日🇯🇵。正面の拝所には菊の花が供えられています。古墳を一周して、古代の官道(国道)のひとつ「長尾街道」を東から西に向かって進みました。

【長尾街道】竹内街道の北に並行して整備され、現在の堺市の「方違(ほうちがい)神社」と奈良県葛城市の「長尾神社」との間を結ぶ。長尾神社で竹内街道と合流して終点となり、横大路につながる。

方違神社(堺市百舌鳥古墳群 反正天皇陵の北隣にある

長尾神社(奈良県葛城市)横大路・竹内街道・長尾街道の合流点

郵便局のあるところ、旧道あり 

交通量の多い国道170号(外環状線)と交差 歩道橋で越える

古い街道と言ってもその面影なく、雨も降り止まない中ボチボチと歩いていた所、目前に道しるべを発見。一気にテンションがあがりました。

「元禄14年」1701年というから相当古い

右ハ ふじい寺 かうや(高野) よしの はせミち

雨で散った梅の花びらが案内板についていました

街道を2キロ歩いて、近鉄藤井寺駅の手前で曲がり、アーケード街に入ります。

「両手に買い物袋」の頃にはありがたかったアーケードの屋根

古い門前町藤井寺市は駅前も昭和感たっぷり。プロ野球ファンなら近鉄のホーム球場だった「藤井寺球場」の名でなじみがあるでしょう。アーケード街の一角で、近鉄の4番だった人がお店を開いているのは聞いていました。

今夜は3駅先のホテルをとったから、食事したら電話するより訪ねていこう。先に場所が分かれば、と思っていたら、何とあっさり見つかりました。

玄関の扉は半開き。何本か刺さっている傘立てがあって、中の扉の奥からカラオケの音楽が聞こえてくる。お昼間はお年寄り(たぶん)のためにお店を開けているのだなと思いました。

「すいません。ここ、栗橋さんのお店ですよね。」ちょうど向かいの店で作業していた男性に声をかける。確信があっても周りに聞いてしまうのが既にコーフンしている証拠。

このベースボールカードを見て「復刻版ユニを着た吉田正尚?」と一瞬思った人は少なくないはず。

当時は「マッチョマン」ではなく、ギリシャ神話の剛力の神に例えて和製ヘラクレスと呼ばれた元猛牛戦士の「栗橋茂」選手です。こうなったら何としても今夜お店を訪ねたいなあ。

再び藤井寺駅前を通って500m、いや300メートルも行くうちにモニュメントがありました。

近鉄バファローズ本拠地 藤井寺球場 1928-2005」。甲子園球場に次ぐ本格球場として昭和3年に完成。

現在は高校の敷地に この角度だとドーム球場の外観にも見える

街の真ん中(駅前)にありすぎて球団側が照明装置をつけようとするも周辺住民の同意が得られず、優勝したのに日本シリーズの試合が出来なかったそうです。大阪ドーム(当時)の開場と共にメイン球場はドームに移り、オリックスとの合併で藤井寺球場は77年の歴史に幕を閉じました。

在りし日の少年に戻って、こだまする球場の歓声を思い出しているのかも

感傷的な表現を用いましたが、耳に残るのは河内名物の「日本一キツ~イ野次📢」かも?(笑)。再び線路を潜って、長尾街道に戻り西に進みます。

東西南北しか読み取れませんでした

足元の悪い中、次に訪れたのは第21代雄略(ゆうりゃく)天皇陵古墳。前の方墳と後ろの円墳のふたつに分かれています。

拝所のある方墳側

方墳の土地ではかつて農産物が作られ、明治維新以降に古墳として再整備されたそうで世界遺産の構成物からは外れています。

方墳の方は住宅とグラウンドに挟まれ、再構成されなければ池の中の円墳のみ残るだけだったかも?

案内板に「世界遺産」のマークはないが、めずらしい古墳のパターンとして興味はそそる。

続いては、「文句なしの大きさなのに、世界遺産に数えられない」古墳です。

遠くからでもその巨大さが分かる

【大塚山古墳】仁徳天皇陵応神天皇陵などにつづく全国第5位の大きさを誇るが、①「百舌鳥古墳群」と「古市古墳群」の中間点にあり、②古墳時代最盛期から外れた6世紀後半の築造である事、

③古墳の完成途中で工事を放棄した可能性がある事、④大正時代までに人が住んでおり集落を形成していた事などから、世界文化遺産登録されていない。

中の住民が立ち退いたのは昭和3年で、くしくも藤井寺球場が完成したころ。(古墳は松原市羽曳野市にまたがる)

「ケッ、正真正銘の古墳かどうか、白でも黒でも別にいいじゃんかよ」

セリフをあてがわれた黒い鳥はカモではなく、オオバンという鳥だそうです。くちばしはとんがり、足に水かきはありません。

「向こうからヒドリガモの群れがやってきた いっちょうカモたろか」

オオバンにからまれ迷惑そうなカモのカップ

気づいたらお昼ご飯がまだでした。「まぼろしの巨大古墳」の真正面のファミレスに入る。

古墳を見に来たついでの客は誰一人居りません(私こたろーをのぞく)。レストランの中は満席の賑わいでした。3連休初日の昼下がり。

実は球場跡から街道に戻る途中、ジャケットを鉄柵の先端⚡で引っ掛けて中から水鳥の羽毛が飛び出してきて困りました。注文が通る間に手持ちの絆創膏を張る。こんな使い方をするとは(^-^;

白い水🥂1杯91円 生ハムとモッツァレラチーズ盛合せ455円 

小エビのタラコソース491円(税抜き)コンビニ飯より安いかも

雨カバーをかぶせたザックが「前方後円墳」に見えて来る始末

食事後は足を早めて、近鉄河内松原駅前のホテルに夕方4時頃落ち着きました。

スーパーで今日と明日のごはんをしっかり買い込んで入室

ベッドはダブルの150センチ幅でゆったり

【公式】ザ・セレクトンあべの松原駅前【ホテル予約】2021年7月グランドオープン (celecton.com)

さて、このまま朝までホテルでまったりかというとそうではない。今夜は大勝負が待ち構えているのだ。

それは元近鉄バファローズの4番・栗橋茂さんのお店「しゃむすん」に出かける事。

古墳巡りが主体のブログ(を読んでもらっている)のでここで、栗橋さんの実績を沢山書くつもりはない。しかし調べれば調べるほど「バッティングも球場の外でも豪快だった」らしい。家から持ってきた雑誌には「温厚な性格で猛牛軍団🐃をまとめた男」とあるがどちらが本当なのだろう。

私こたろーがいち野球少年の頃はパ・リーグはテレビでやっていなくて、「江夏の21球」と語り継がれる1979年日本シリーズ近鉄ー広島 最終戦大阪球場)もラジオで聞いていたクチだ。この試合の4番はもちろん広島・山本浩二近鉄・栗橋茂。そんな人の経営しているお店に初めて訪ねる。夜分に酔っ払って行ってもいけないが、逆に素面でも行く勇気がない。電車に乗る前に部屋で2本目のチューハイを流し込んだ。

長尾街道を東から西に歩いて、途中藤井寺球場跡に立ち寄って河内松原駅前にゴールし、今また電車で藤井寺駅まで戻って来た。駅の南出口からお店までは歩いて3分。

お店は昼間と同じように、入り口の扉は半開きで(写真は昼のもの)、違うのは中の扉も開いていて、男性が背中を向けてひとりでテレビを見ている。ちょうど開店時間になったばかりだ。
「すいません。こんばんは。」こたろーの声で男性がこちらを振り返る。

©TAKARAJIMA2008(中の掲載写真とも)

 

【つづく】🐃🐃🐃(2024年3月2日最終更新)

「最古の官道」エピソードⅠ 大阪藤井寺の夜に大コーフン🥃💕編(2) - kotarosandayoneの日記 (hatenablog.com)

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