11月24日。直木賞作家・伊集院静(いじゅういんしずか)さんの訃報に際しました。
伊集院さんと言えば故・夏目雅子さんの旦那(結婚後1年1カ月で死別)、人気エッセイ「大人の流儀」あたりしか存じていませんでしたが、「世界最大の電子辞書」を見てみると、
長嶋茂雄さん本人から「野球をするのなら立教大学に行きなさい」と勧められ進路を決めた/夏目さんとは7年の○倫交際の末の結婚だった/近藤真彦さんの代表曲「愚か者」「ギンギラギンにさりげなく」の作詞家だった・・など知らない事ばかり。
「週間大衆」11月6日号©双葉社2023
「さめたしぐさで熱く見ろ 涙残して笑いなよ/ギンギラギンにさりげなく そいつが俺のやり方🎵」昭和56年(1981年)
「愚か者 見果てぬ夢に 男はさまよい女はこがれる/偽りだけがいつも真実 これが人生🎵」昭和62年(1987年)
マッチの2曲の歌詞を見てみれば伊集院さん・昭和ロマンの生き方そのもの!格好いい。
愛読している男性向け週刊誌には伊集院さんの連載や、「オヤジ必見!Z世代も夢中!昭和レトロ名所全国20」の特集記事が出ていました。
©双葉社2023
「奈良の街道歩き」でゴールした後、生駒山~ならまちを経て、大阪のミナミから地下鉄堺筋線・阪急京都線で大阪府高槻市に入りました。
駅からJR高槻方面に歩いていくと徒歩約10分で「松坂屋百貨店」。ここに関西唯一の屋上遊園地があります。
©双葉社2023
RF ■スカイランド遊園 とありますね! エレベータで上がっていきましょう。
屋上の乗り物はアンパンマンシリーズばかり。記事には「きかんしゃトーマス」も出ていたが、契約の更新だろうか?
アンパンマンのキャラクターがいっぱい乗っているきかんしゃが屋上を半周してきました。
他の方のブログなどを拝見するとこちらは「豊彦稲荷神社」といって、松坂屋の発祥である名古屋市に同じ神様が鎮座されているそうです。「百貨店松坂屋の守り神」という事なら、関係者は大切にしている事でしょう。
プレイランドでは「遊び」ませんでした。女の人と一緒なら「懐かしいから洒落で乗ろうよ」と、きかんしゃに乗せていたかも(←恥ずかしい妄想)
高槻市駅に戻って、阪急電車の終着駅・京都河原町までは約20分。高槻は京都と大阪のちょうど真ん中あたりみたい。
©双葉社2023
前日からの行程で、予定していた4カ所のうち3カ所をクリア。目指す京都には「ラスボス」(=総大将的な)が待ち構えている?
「さっきは遊園地で恥ずかしかったね。京都には女性が美しく見える喫茶店があるからね」(←チョーはずかしい妄想🙇)
阪急京都河原町駅の地下から出たのは1番出口。近鉄奈良駅前で泊った時も1番出口は駅の北東でした。何かそういう決まりがあるのかしら?
国土地理院の地図を引用していますが、お寺マーク 卍の多い事!河原町の南北に連なっていて、地図では見切れているが三条通りに面したところに有名な「本能寺」があります。
京都河原町は京都駅周辺と並んで、最も賑やかな所(だと言われています)。勉強不足ですいませぬ。鴨川沿い・先斗町(ぽんとちょう)の川床(ゆか)も有名ですね。
「目指すラスボスはどこじゃいな🔭👀」京都弁も使えないのでここからは、普段親しんでいる言葉で行きます。
1番出口から徒歩1分というのもあるけど、行列ですぐわかったわ。
週刊誌の記事によると
【喫茶ソワレ】「昭和23年(1948年)の開業以来、お見合いの場として親しまれてきた喫茶店。女性が奇麗に見える青い照明に昭和の美意識を今に残している..(一部略)」とある。
「昭和を懐かしむ人たちより、並んでるのZ世代の方が多いやんけ!?」
ここで Z世代 Y世代 X世代 のおさらいデス。
Z世代:生まれた時からインターネット環境が整っていた世代(1995年以降の生まれ)。画一化かと思いきや、他人に流されない言動をとる。
Y世代:1980~1995年に生まれた世代 情報収集にアナログとデジタルを使い分けられる。バブルが崩壊し、リーマンショックのあおりで就職が困難だった世代。
X世代:1965~1980年に生まれた世代。アメリカで称された「ジェネレーションX」が語源とされ、Z世代の親の世代。日本では若い時にバブル景気を経験している最後の方の世代。
おおむねこのような分け方の様です。それはそれとしても、「何でこの店に並ぼうと思たん?」と彼らZ世代に聞いてみたかったです。
【実録!京都河原町ソワレ劇場】(昭和の週刊誌風に)
手元の「記者メモ」によると(元記者の端くれでした)
・12時35分 自分が行列に並び始める まだ開店前だとわかる(毎日午後1時開店・月曜日休み)
・12時50分 開店10分前 店から制服の女性スタッフが出て来て「玄関前からではなく、道の向かい側から並ぶように」言われ、みんなが並び直す。
そうすると、店の入り口と行列に道幅の空間が出来る。そこに運悪く?通りがかった人に行列全員からの目が注がれる。(並んでるの知らんと、ドアを開けて入っていかんやろうな~)
鋭い視線に気づいた人が目をそらす様に店を見上げる。気持ちは分かる。
・13時00分 開店
「何人さまですか」と前から順番に聞かれ、1グループ毎に列から店内にエスコート(案内)され始める。
・13時05分 着席 入口前の席(4人掛け)
なんと自分が最後で座席が一杯になったらしく、その後は店内に呼ばれない。運が良かったと思う反面、以降の人達に申し訳ないという気がする。
・13時10分 お水が運ばれてくる しかし注文は聞かれない
見慣れたタッチの絵。これは甲州街道歩きの時に新宿で目にした東郷青児の絵だ!ふと自席の真上を見ると
店内の絵画はすべて東郷青児の描き下ろしで、コップの絵なども青児がお店のためにデザインしたそうです。
まだ注文を取りに来ないので、机の上の説明に目を遣る。
「撮影される場合は他のお客様の映り込みがないようお願いいたします」。分かってますよ。こちらは(元)プロですよ。と、ドアの外に目を遣って初めて気が付いた。なぜ、道を挟んで並ぶように言われたのか。
「入店を待っている人と店内のお客さんの目が合わないようにするため。」たぶん。
百戦錬磨とはこの事か。待っている人が外に見えたりしたら落ち着かないもんね。そこが食べたらすぐに席を立つラーメン屋とお見合い喫茶❓️の違いだな。
・13時20分 最初のお客さんが退店 女性一人
・13時23分 着席から18分 私の注文が通る
・13時24分 ゼリーポンチが到着「お待たせしました」。
全然待っていない。いや並び始めてからはそれなりに待ったけど、例えばソフトクリーム頼んで手渡されるくらい早い。野球でプレイボールがかかり、先頭打者が初球ホームランを打って、ホームベースに帰って来るのと同じ位早かった。
目の前にあるのは「食べる宝石とも称される、名物メニューのゼリーポンチ(750円)」(週刊誌の記述より)
3分で食べました。だって誰も席を立たないんだもん。
お勘定をしながら「あのゼリーは何色(種類)入っているんですか」。。「5種類です」。と即答されるので、
「もっと多くなかったですか?ホラ透明の。ああ浮かんでる氷の数も数えてたわ」「・・」
「すいません大阪のギャグ言うてしもて」「大阪からお見えになったんですか」「(違います・・)」
喫茶ソワレは開店当初からBGMが流れていません。私のような恥ずかしい会話は1Fのフロアに筒抜けですのでなるべく注意しましょう。
・13時29分 退店 並んでいるお客さんには目を合わせないようにサッと・・
ちょうど3時間前にいた大阪新世界のパーラーとは同じ昭和でも雰囲気がまるっきり違う。
昭和23年(1948)創業。マンションと店舗ビルに挟まれた喫茶ソワレは今も京都河原町の一等地で静かに存在感を放っていました。
【外部リンク】喫茶ソワレ【京都河原町】公式サイト (soiree-kyoto.com)
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さてどうやって京都駅に戻ろうかな。せっかくなので京都の台所「錦市場」を通って四条烏丸まで歩いて行こう。
「100%VEGAN🍃」菜食主義を謳って、漬物のPRをしているようです。
「DELICIOUS!! CRAB STICK!!」カニカマやん。こんな巨大の見た事ないけど。
市場っぽい写真ばかり撮りましたが、立ち飲みの店、小物売りなど多種多様で、とにかく道幅が狭い。「400年の歴史を感じる東西390メートルの錦小路通り」の3連休最終日はインバウンドもあってそれは凄まじい人出でした。
お値打ちな定食屋さんに入って、BGMに流れて来たのは近藤真彦の「愚か者」。昭和62年(1987年)の元旦に発売されたマッチの通算22枚目のシングルは「ギンギラギンにさりげなく」と同じく伊集院静さん(作詞家名は伊達歩)の作詞で、その年の日本レコード大賞を獲得しました。
肝心の料理ですがメインの揚げ出しやナス、付け合わせのおばんさい?、ご飯も美味しかったです。
ちなみにジャニーズ事務所所属の歌手が大賞を受賞したのはマッチが初だそうです。
四条烏丸に出ました。同じ位の賑やかさでも大阪のまちとは雰囲気が随分異なります。
ここから地下鉄に乗って京都駅まで。地下鉄烏丸線の下りたホームと近鉄京都駅の間が距離があってやや焦りを感じ、「近鉄京都駅どこですか?」とガードマンさんに尋ねたりして到着しました。
というのも、昼食中に近鉄の観光特急「あをによし」の席を予約していたからです。
2022年4月29日(昭和の日)に京都と奈良を往復する観光特急として運行を開始した「あをによし」は実は昭和の特急(1967~)を改造したものです。
運行ルートは 大阪難波 ⇒ 奈良⇔ 京都(奈良ー京都を4往復)⇒大阪難波の計8便です。
1便と最終8便は奈良駅で折り返して進行方向が逆になる事から「途中で席の向きを変えなくても良い様にすべての席を向かい合わせに」したそうです。
よって「喫茶ソワレ」ではないですが、知らない人と相席になるのを防ぐために指定席は2名ごとの販売です。だから大人1人で乗りたい時は「こども1人」の指定席を一緒に取ればネットでも買えます。乗車券は1名分で良いのですが。
錦市場で振り落とされそうになったリュックサックを相席に座らせました。あんたも今日1日ご苦労様。
京都から大和西大寺までの時間は約30分で、京都発だと最初は商業地や住宅地。後半には田園風景が広がります。
おすすめは第1便の大阪難波ー大和西大寺間。生駒山地を駆け上がっていく途中で、90度に向かい合った方の席からは大阪平野の景色が車窓一杯に広がります。(大阪難波発の第1便は時間帯も良く連日人気の様です・・)
という訳で、特別編を3回に分けて、大阪・奈良・京都の昭和ロマンをめぐって来ました。最後に伊集院さんの人気のエッセイから格言を頂きます。
「勝負はコーナーを回ってから」(タイトル)
「確率論で勝負は出来ない」「どん底の先の差で勝者となり、敗者となる」
御大が愛したギャンブルの格言にも聞こえますが🀄🚴♂️🏇
「・・今週で連載はやめようと思う。とにかく頑張ってくれたまえ。」で締めくくられています。(週間大衆 11月6日号)
©双葉社2023
さめたしぐさで熱く見ろ 涙残して笑いなよ/そいつが俺のやり方🎵 「ギンギラギンにさりげなく」昭和56年9月発売(1981年) マッチも2024年には還暦です。みえませんよね~。
こたろーのブログも連載100回目です。今回も印象的な旅でした。
2023年11月29日(水)最終更新🍁🍂🍮🍨🛬 関連記事は下にスクロールしてご覧ください